突き抜けるような蒼天が眩しいある日、オレは無職になった。
いや、この表現は不適当で、不正確だ。
正確に言うなら、怒れる四区のチャイナマフィアと元暴走族のヘッドに踏み込まれ崩壊寸前だったオレのクソシゴト先であるところの二曲輪が、何故か突然暴走した自動運転の四トントラックやインドサイの群れやらに突っ込まれて全ての拠点が文字通り爆発大炎上し、その無惨な光景を未来の映画監督に余す所なく撮影され、天才音楽家が即興で作った新曲に合わせて音MADにされ、インターネットでも炎上した、である。
こんな組織にシゴトを振るヤツは居ない。残党も自然解散、消滅していくことだろう。ただその音MADにはオレたちも少し映り込んでしまっていて、警察に恩を売っていなければ今頃オレは刑務所の中だったと思う。持つべきものは頭の切れる上司と社長だね。
「なあ添。添は、もうくるくるで働かなくていいんだよな」
「まーそうですね。文字通り爆発しちゃったんで」
そう、これでオレは誰かを傷つけるようなシゴトをしなくてよくなった。同部屋の犬もいつもより嬉しそうで何より。
ただオレの戸籍や学籍も爆炎諸共葬られてしまったため、以前より「何者でもないよくわからないヤツ」になってしまったわけで。
「部下に無茶な吶喊をさせた俺に責任がある。戸籍は俺がどうにかしてやろう」
「あざっす助かりまーす」
そういうわけでオレはHAMAハウスでのほほんと暮らしていくことになった。なんだか潮や琉衣からの視線がより刺さるようになった気がするけどまあ、気のせいでしょ。
めでたしめでたし。
そのはずだ。

