ラブホと首輪とオレたち 2

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膝に乗せ、サラサラの綺麗な髪に口元を埋めながらきめ細かい素肌に指を滑らせ撫でると練牙はくすぐったそうに身を捩らせる。
「う、うぅ……」
「こーら、暴れない」
いつもより穏やかな、どこか甘ったるさを感じる添の声に練牙は息を飲み、固くしていた身体を緩める。添、そんなに犬好きだったんだな……こないだの警察犬との仕事も息ぴったりだったしとズレた事を考えながらも、ついさっき添に自覚させられた『この先』を思うと練牙の顔には血が上ってくる。
「(こ、この後……オレ、添に……ッだ、ダメだそんなみっともないこと考えちゃ!添はオレに犬でいろって、だからかわいくなきゃダメ……ていうか犬でいろってなんだよ。それに、オレ様は可愛いとかじゃねえって!)」
「んー?何考えてんの?」
「ひゃう!」
すぅ、と首元で呼吸されるとえも言えぬゾクゾク感が練牙を包む。しゅうまいもこんな感じなのかな、と意識が逸れようとするとまた吸われを繰り返し、都度与えられるゾクゾクで練牙の思考は端っこからぱらり、ぐらりと崩壊の兆しを見せていく。
「ふ……ッ、て、うぅ……」
「そーそー、飼い主のオレに吸われてうれしーね?」
飼い主?いや添は友だちだろ?とさすがの練牙にも一瞬疑問が浮かんだが、それは添の呼吸によって即座にかき消される。
「は……ッひ、……」
「うんうん、可愛くお返事できてえらーい。イイコイイコ」
吸われながらわしゃわしゃと全身を撫でられ、褒められ、練牙の身体からは抵抗が奪われていく。
「(あ、っひぅ……ッ♡お、オレ様はかわいくな、ひぃ……♡ほ、褒め、られッ♡あたま、ふわふわすりゅ……♡
ダメだ!何考えてんだ!オレは人間……つか添のやつ人んこと可愛い可愛いって……ぁ、よ、ヨシヨシうれし……っす、すわれう♡はひっ♡も、もっと……もっとヨシヨシほしっ♡♡
だ、ダメだッ♡こんな重いの……あぅぅ、かわいいかわいい♡ってされて、バカんなっちまう……ヨシヨシされてきもちくなんの、ぜんぜんとまんねえ……ッ!
あ、う、うれしい♡きもち、いッ……♡て、てん、てんっ、うれ、しぃぃ……♡♡♡)」
「……あっは」
最初は控えめだったリードの金具をカチャン、カチャンと揺らす音が次第に大きくなっていき、今やせがむように身体を擦り付けてくる練牙に添は目を細める。
「練牙さん、ワンコになっちゃうのきもちいーんだ」
「へぅ……ッ♡あっ、あふ♡あぅぅ……♡♡」
「はは。人の言葉喋れなくなっちゃった」
とろんとした目でだらしなく口を開き、舌を垂らして飼い主の可愛がりをねだる様は本当に犬のようで。
「……練牙さん、かーわい」
添は『犬』をぎゅ、と抱きしめ、仕上げにその『体毛』を思いっきり吸う。
「あぅぅん……ぁ♡あァ……♡っあぁ……♡♡」
吸われる度上げてしまう甘えたな『鳴き声』を練牙は抑える事も忘れ、『飼い主』からの可愛がりを全身で享受した。

「うぅ……」
「いやー練牙さんすごくヨさそうでしたね。ハマってくれて嬉しいなー」
丸く縮こまっているシーツの塊に添は機嫌良く声をかけた。繋がったままのリードを軽く揺らすとぴくりと塊が揺れるのを目を細めて見る。
「オレ、セレブなのに……ッ!こ、こんにゃのぉ……」
「いいじゃないですか、オレと練牙さんしか知らないセレブの裏のカオって感じで」
「いやダメだろ!それ週刊誌に載っちまうやつじゃねえか!」
いやー載らないと思うな、と添の頭に冷酷無情なチャイナマフィアとその敵が浮かんだが、今考える事ではない。シーツの塊から犬を出してやるのが最優先だ。